省令準耐火構造とは?
省令準耐火構造とは
省令準耐火構造とは住宅金融支援機構が定める仕様に適合した耐火構造のことで、一般的な木造住宅(在来工法、枠組壁工法、木質系プレハブ工法)に適用されます。火事が他の部屋へ燃え広がらない(延焼防止)、近隣への燃え移りを防ぐ(類焼、もらい火防止)という観点の構造になっている点が特徴です。
省令準耐火構造の住宅の特徴
外部からの延焼防止
軒裏と外壁に防火性の高い建材を用い、屋根は不燃材料を使うことで、隣家からの延焼を防ぐ構造になっています。
各室防火
各室が防火区画化され、せっこうボードで壁・天井を覆うことで、火災の拡大を防ぎ、避難や初期消火の時間を確保します。
他室への延焼遅延
火炎の通り道となる部分には断熱材やファイヤーストップ材を用いて、火災時の延焼スピードを遅らせます。
省令準耐火構造の住まいのメリット
フラット35が利用できる
省令準耐火構造の住宅は、住宅金融支援機構が定めた基準により「フラット35」の対象になり、固定金利で計画的に返済ができます。
火災保険料・地震保険料が下がる
出典:一般社団法人 日本木造住宅産業協会
省令準耐火構造はT構造として扱われ、H構造に比べ火災保険料が約半額に。地震保険もイ構造に該当し、保険料が約70%に抑えられます。
- M構造:マンション
- T構造:耐火構造(耐火・準耐火・省令準耐火)
- H構造:非耐火構造
火災に強く、家計にもやさしい。それが省令準耐火構造の家
省令準耐火構造の住宅は、火災に対する高い安全性を備えるだけでなく、長期的な家計にも大きなメリットをもたらします。
たとえば、現在の住宅ローンは40年返済が主流です。一方、火災保険の契約期間は最長でも5年。つまり、ローン期間中に7回の契約更新が必要になります。
このとき、省令準耐火構造の家は「T構造」として火災保険料が優遇され、5年ごとに約24万円の保険料を節約できます。これが7回更新されると、なんと約168万円もの差が生まれます。
- 5年ごとに 約24万円 節約
- 40年間で 約168万円 の違い
- 火災リスクに強く、保険料も抑えられる家
家族の命を守りながら、将来の生活コストも賢く抑えられる。安心と経済性を兼ね備えた住まいとして、省令準耐火構造はこれからの住まいづくりに最適です。
建築コストが高くなる
一般住宅よりも仕様が強化されるため、建築コストが数万円単位で上昇します。ただし保険料の削減により、トータルで見ると全く大きな差にはならないですね。